私の入口 | 「博士の愛した数式」小川洋子著 |
『ブラフマンの埋葬』 著者・小川洋子 |
感想: 前作に引き続き、やっぱり独特の世界がある作品だった。 子供が読んでもいいかなあ、とも思うけど、やっぱりこれは、純真さを失ってしまった大人が読む作品だと思い直した。 最近、韓国ドラマが流行ったり、この作者が人気があったりするのは、みんな、きっとまだ自分にもあるはずの、ピュアな気持ちを思い出したいからじゃないかしら、と、この作品を読み終わって、まずそう感じた。 でも、前作の「博士の愛した数式」でも、この作品でも、そのピュアの象徴が、どこか何か欠けた要素のあるものってトコロが、なんだかせつない。 もちろん、その完全でないあたりが愛おしく感じる部分なのだけれど。 ふつうの、この現代の煩雑な毎日に暮らしていても、ピュアな気持ちをずっと失わないでいられるのかしら。 |
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