私の入口 友人紹介


著者;加藤諦三
『「不機嫌」と「甘え」の心理』
感想:
加藤シリーズは今、なかなかの売り上げを記録しているらしい。私の購入時も、
レジ横にシリーズが並べてあった。それだけ、心の平安を願う人が多いのだろうか。

また、この著者、
タイトル、目次とも、つけ方が非常にうまい。本屋でペラペラっとながめると、つい買ってしまいたくなる気持ちにさせる。

さて、中身は。もちろん、専門先生がお書きだから、多角度からの分析は興味深いし、なるほど、とも思う。ただし、私にはとても危険なシリーズであった。

読み進むうちに、自分がどんどん不健康な心の持ち主だと思えてきてしまうからだ。内容に共感できればできる程、自分が著者の分析対象と同じく、何らかの問題を抱えていうのでは、と。

しかし、何の問題も抱えていない人など、世の中にはいないのだから、未だ読んでいない方には、
覚悟を持ち、自分の精神状態が共倒れしないように気をつけて頂きたい。

事実、私もそう言われて友人から薦められ読んだのだが、読み終わり、自分がブルーになると、その薦めてくれた人がこう言ってくれた。「著書も自分の問題を乗り越えてはいないのだ」と。そして「著者が読者を詰(なじ)っているのだ」とも。

作中、他人を詰ることで、自分の精神状態の安定を計る人達が分析対象になっているのだが、まさに、著者がそうなのかもしれない、と。
出口 「『やさしさ』と『冷たさ』の心理」(加藤諦三)
「インザプール」「空中ブランコ」(奥田英朗)
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