ブロバック(ブログに掲載したバックアップです) | ブログ掲載;2005/6/30 |
私の入口 | 「寒椿」 |
「櫂」宮尾登美子著 |
感想: 「櫂」宮尾登美子著 読みました。
先日この作家の「寒椿」を読みましたが、作品の流れとしては「櫂」→「寒椿」 先に寒椿を読んでいて「あ〜、こんな風に繋がるんだ〜」とちょっと驚き、ちょっと嬉しかったです。 実は、これら宮尾登美子の本は祖母の蔵書。作品を読んでいてもそうですが、やはり時代を感じさせられます。 現代は、どちらかといえば、子供が親に頼るのがあたりまえな風潮、ですが、作品は、親が子供に頼るのがあたりまえ、な時代です。 ですが、主人公に共感できることもありました。 それは、主人公が様々な壁にぶつかる時、必ず自分の至らなさにがっくりきちゃうところ。 結局、壁って自分で作っちゃってることって、ケッコーありますよね。 心理的にも物理的にも。 だからこそ、自分のいたらなさにガックリきちゃうんです。 でも、原因が自分の至らなさだからこそ、これがまたなかなか救われない。 だって、わかっていても直せないんですから。 直せるくらいなら、至らないことないんですから。 でも、でも、さらに共感できたのは、至らなさに救われない主人公も、結局ガンコに自分のスタンスを貫いちゃった結果、それはそれで、幸せな一時期を過ごすこと。 ただ、結局子供に(心理的に)頼ってしまうことで自分の首をしめて、その子供のために離れ離れになって、その幸せな一時期すら手放してしまうのが、悲しいような仕方の無いような。 でも、その後もまた、新たな心理が待っていると思うと、人間は弱くて強いものだなあ、と思わされます。 |
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