私の入口 図書館



著者;遠藤周作
『侍』
感想:
私はクリスチャンではありませんが、というか、無宗教者ですが、信仰をする気持ちがわからないではありません。
日本人らしく、ご先祖様には手を合わせますし。

この本では、最近の映画「ラストサムライ」でも表現された、いわゆる侍像の精神は、作中登場する「侍」にも同じく現れているように思います。最近の本選び傾向の中にサムライがマイブームになっていることもあり、その点はとても面白かったです。

やはり、同じ日本人として、侍精神は美徳と感じてしまいます。
また、準主人公とも思われる神父ベラスコの姿。
時代も母国も彼の大義名分を必要としてはいない。そこに正義を持ち出しても、それは結局、私欲になってしまうのでしょうか。(それは私欲ではない、命を投げ出しても果たさなければならない使命、だと感じる方には、次のこの一冊をお勧め)

そして、母国で目の当たりにする
組織の側面。個人では純粋でも組織になると、それがたとえ聖職者の組織であっても、個々に止むを得ない事情が出できて、結果、本来あるべき姿から遠ざかる。これは現代社会の組織図にも大いにあてはまるのでは。作中の侍もまた、そんな組織に、、、。

それから、「
知ってしまったからこその、空虚感」。このテーマは色んなタイプの作家に書いて欲しい、強く感じた作品でした。

感想最後に、どんな時も心の中に支えとしてキリストを抱くのがクリスチャンなのでしょうか?やっぱり、私の場合はご先祖様を抱くなあ、と思いました。
出口 使命を感じる次のこの一冊、「私の仕事」(緒方貞子著)
現代の救われるべき実態、「安全保障の今日的課題」(人間の安全保障委員会報告書)


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